こんにちは! 言響(心に響く話し方)の宮北結僖です。
よく「お客様目線になってコミュニケーションを深めなさい」と言いますよね。
それをどうかもう1つ入り込んで、相手そのものの懐に、ポチョン!と 入ってみてください。
すると、相手の考えていることが「ふむふむ」と 感じることができます。
感じ取った上でそこから出ることをやってみて ください。
私はこの話をする時にいつも思い出す人がいます。
ブライダル司会者をやっていたころ、10年近くお仕事をご一緒させて いただいたNさんです。
Nさんはまさに相手の懐にポチョンと入る、名プロデューサーです。
ある時、Nさんは全く耳の聞こえない新郎新婦を担当されました。
新郎は生まれながらに、新婦は学生の頃の病気で音を失いました。
その時、Nさんはまず「音が聞こえないってどういうことだろう」と 耳栓で全く音を遮断して挙式に参列してみました。
「感動が伝わってこない…そしてなんて不安で恐いんだろう。
」 とたった15分の挙式で、ものすごい恐怖に襲われたそうです。
そしてそれを踏まえて飛び込んできてくれた新郎新婦に
「こんな不安な気持ちをもったまま、大切な日を迎えてほしくない」
と強く思ったそうです。
その後、Nさんはすぐ手話教室に通われました。
そしてスタッフの我々にもテキストを配り「時間の許す限り、覚えてほしい」 とおっしゃいました。
司会を担当していた私も「おめでとうございます」「大丈夫ですか?」など よく使う言葉は手話で出来るように練習しました。
また牧師先生にアメージンググレイスを手話を交えて歌ってほしいと依頼。
もちろん牧師先生もそれに答えてくださいました。
お二人へは「拍手の音」が届きません。
ならばということで、席辞表に太いリボンを付けて、それをヒラヒラ振って、 お二人をお迎えしました。
そんな中、新郎は次の日誕生日の新婦に何かしたいと思っていました。
Nさんはやっぱり「ポチョン」と相手の懐に飛び込み、そのことを察します。
そして最後の新郎あいさつの時に新婦の大好きなひまわりの花束を プレゼントしたらどうかと提案されました。
その時です。
それまで、本当におとなしくて自分の意思を中々
表現しない新郎が
「最後のあいさつ、手話ではなく直接言葉で話したい!」
とおっしゃられたのです。
これにはNさんも私もびっくりしました。
新郎は生まれてから一度も自分の声を聞いたことがありません。
でも、口の動きで言葉を読み取れる新婦には、ちゃんと言葉で伝えたいと おっしゃるのす。
いったいどうなるか、私にもさっぱりわかりませんでした。
ただNさんには「なにかあったらサポートお願い!」と言われ、 私も緊張して「それでは最後に新郎よりお礼の言葉です」と申し上げました。
…当然手話で話すだろうと思っていた新婦は、新郎の手元を見ています。
そんな中、新郎は口を開きました。
新婦はびっくりして、新郎の口元を食い入るように見つめました。
その時です。
しばらくの沈黙の後、
「おあんおうい、おええおう…(お誕生日おめでとう)」
そしてひまわりの花束が渡されました。
人前で声を出したことのない新郎が、はじめてその殻をやぶった瞬間でした。
会場中が感動と涙で渦巻いたことは言うまでもありません。
Nさんが新郎新婦そのものになり、そこから出た結果でした。
Nさんはいつも
「難しいお客様、クレーム対応のお客様にこそ、無難に終わらすのではなく
その人の懐に飛び込んでいくんです」とおっしゃいます。
見返りは一切期待せず、ただ「相手の懐にポチョン!」やってみてください。
*今回のポイント*
難しいお客様、クレーム対応のお客様にこそ、無難に終わらすのではなく
その人の懐に飛び込んでいく
見返りは一切期待せず、ただ「相手の懐にポチョン!」です。
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